コミュニティ経済学講座

松井名津

 高踏なお題ではあるが、実態は砕けたものになると思っている。なんと言っても大阪人がその大阪人振りを十全に発揮することになると思うからだ。

 この講座を企画しようと思ったのは、宇和島の友人がきっかけである。彼女が大人のための市民が作る市民の講座
を企画するんだけど、一口乗らない?と持ちかけてきてくれたのである。その時に彼女からリクエストがあったのが「なんか新聞の経済のニュースがわかるようなやつ」「学生の頃に習ったはずだけど、忘れてしまって今更学び直そうとすると、どれから手をつけていいか分からないようなやつ」だった。実は他の知人からも「MMT理論とか、赤字国債はいくら発行しても大丈夫とか聞くけど、ほんまに?」という質問を受けたところだった。なので友人に「経済学の基礎とかは?」彼女「経済はみんな興味持っとるけんね」私「というても金融とか、株はどれを買ったら…というやつじゃなくて、基礎理論」彼女「分からんけん、任せる」。という形で、構想が決まったものである。

 ということなので、経済学の方は無味乾燥で世間では誠に評判の悪い「現代経済学」の基礎を簡単にさらっとやってみようと思っている。一体なぜと思われるかもしれない。“narurato characteras universite”とは「自然科学大学」のことですと、○○大学教授という肩書きの人から突然言われたとする。これを自信をもって「嘘」と言い切れるだろうか?言い切れるとしたら、ラテン語とかギリシア語など印欧語をよく知っていて、どこが間違いかを指摘できる人だろう。どことなく英語風だし、相手は大学教授という肩書きを持っている。なんとなくおかしいような気がするけれど、相手は専門家らしいし…こっちは素人だし…という気がしてくるのではないだろうか?経済学はこういうことが相当な頻度で起こる(起こっている)分野である。

 こういう分野では基本を知っていると便利だ。少なくとも変なエコノミストや経済学理論に惑わされる(騙される)可能性は低くなる。また、経済の先行き予想などに対しても「???」だらけになることはないだろう。だからといって理論だけでとも思っている。経済学の理論には「歴史」や「時間」がない。理論は一種の仮想空間なので現実離れした結果が出てしまうことも度々である(だから酷評されるわけだが)。理論は言ってみれば現実を切り取る鋭いメスのようなものだ。よくキレるが、それだけに分厚い現実にぶち当たると折れてしまう。なので取り扱いには要注意である。その要注意点も含めて講義してみたい。厄介な似非エコノミストに騙されないために。そして現在の経済学に真正面から異議を唱えるために。