インドで始まったジャーナリズム校との協⼒

松⼭⼤学経済学部教授 松井名津

インドジャーナリスト校からの3名がCWB会議に加わった。彼らはビデオや写真、さらに記事を書くセミプロでもある。どうすれば魅⼒的なビデオが撮影できるか、どう編集すれば⼈に⾒てもらえるか。彼らから学べることは多い。時差の壁、英語の壁を低くするために、まずはオンデマンド型でビデオ講座が始まっている。

フィリピンから早速、スマホでアドバイスを受けたいと連絡。カンボジアからは商品プロモーションビデオ編集に技術協⼒ということでやりとりがスカイプのチャットグループで始まっています。アジアは早い。

シャンタヌ:こういう地域の隠された秘境みたいなものを探検するビデオはとても⾯⽩い。ビデオ編集の⾯では、字幕はビデオの下の⽅につけるべきだ。⾒ている⼈にビデオの全体が⾒えるようにした⽅が良い。

ラクシャ:最初に静⽌画が何枚かあってから、地元の⼈との会話や洞窟や⽔の映像があった⽅がいいと思う。字幕が⼤きすぎて主張しすぎている。字幕のサイズやフォントは⼩さいけれどよく⾒える程度。これは覚えておいて役に⽴つちょっとしたコツ。

ヴィネイ:スマートフォンで役⽴つフリーソフトの⼀覧を送ります。できるだけその国で使われているソフトにしたけど、国ごとで違うから⼀度⾃分でダウンロードしてみてほしい。

国境を越えてスイーツ作り、インド・スペイン・カンボジアへ

松⼭⼤学経済学部教授 松井名津

カンボジアでは「ニュージャンプアッププロジェクト」として始まったニューとノーのスウィーツプロジ
ェクトが、コミュニティネットワークとして広がりを⾒せています。


デンくんがカンボジアの⽂化庁の若いメンバー向けにIT、特にビデオの講座を計画しています。これは⽂化庁の企画があまり知られていないという彼らの悩みに応えて⾏うものです。が、デンくん、ここで⼀計を案じました。プーンアジで開催する講座にやってくる彼らに対して、講座料の代わりにニューやノーが作った焼き菓⼦のセットを買ってもらうのです。焼き菓⼦のセットは1つ$10。講座の料⾦としてもちょうどいいぐらいだと考えたようです。さらにクイ族のコミュニティにも発信能⼒を⾝につけてもらうために、講座を提供したいと考えているデンくんは、クイ族の若者たちがスクーリングとしてプーンアジにくる時にも同様にして、焼き菓⼦のセットを広めようと考えています。ミャンマーのEラーンカフェのアイデイアです。カンボジアでは焼き菓⼦を⾷べる習慣がないので、地元コミュニティの⽂化を守る試みと新規事業を結びつけようという発想がとても⾯⽩いと思います。早速⽉曜⽇のCWB全体ミーティングで紹介してもらいました。するとインドのマノラマさんから「講座料がいくらになるのかをはっきり⽰した⽅がいい。何事もタダで提供されたものと思われると後でお⾦を取りにくくなる」というアドバイスが。さすが⻑年ビジネスの現場で働いてきたマダムの指摘は現実を厳しく切り取っ
ています。受講料としてだけでなくお⼟産として買っていってもらうことを想定してです。


⽇頃の国境を越えたコミュニティネットワークとしての広がりが、こうしたアドバイスを⽣んでいるともいえるでしょう。CWB⽉曜会議で話題になることは、どこのコミュニティの話題であっても、誰もが⾃分の課題として考えるようになっています。

アジアと起業塾始まる!

松⼭⼤学経済学部教授 松井名津

起業塾といっても校舎があるわけではない。当初から決まったカリキュラムがあるのでもない。全ては実戦から始まり実践で終わる。ただし⼀⼈が実践から学んだものは、全てのメンバーに共有され、議論され、何かしらの「理論」に還元される。ここでは会計講座でさえも、机上の理論だけに終わらない。複式簿記を学んだら⾃分たちの活動やビジネスを記帳する。記帳ができたら、出来上がったバランスシートや損益計算書から⾃分たちの現状を把握する講義が待っている。


すべての講座には具体的な「何のために、なぜ」がついている。だから単なるスキルアップのための専⾨学校ではない。スキル、例えばプログラミング、ビデオ編集、エクセル、フォトショップ…こういったスキルを⾝に付けるのは最低条件でしかない。ここで常に問われるのは「スキルを使って何をするか」「⾝につけたスキルをどう役⽴てるか」だ。「どう役⽴てるか」の中には⾃分の将来のためも⼊っているが、コミュニティのためも⼊っている。例えばフォトショップを使って仲間のe-コマースのための写真を加⼯するというのも⼀つの例だ。さらにステップアップすれば、他のコミュニティのメンバーのために⾃分のスキルを教えるという段階が待っている。その過程で⾃然と次のビジネスが⽣まれる。この起業塾にとって起業も⼿段の⼀つに過ぎない。⾃分が⾃⽴して⾃由に⽣きるための⼿段だ。そして⾃分が⾃⽴し⾃由に⽣きるためには、⾃分が⽣まれ育ち、これから⽣きていくコミュニティもまた⾃⽴し、⾃由でなくてはならない。だからこそミャンマーのメンバーはe-learningカフェを必死になって運営している。カンボジアのニューやノーはクッキー作りの技術を⾝につけ、プーンアジのメンバーに共有している。インドネシアのユダくんやクリスはITスキルを教え、アプリを作る。ネパールのアリヤはカンボジアの⽣徒の英⽂原稿を添削している。アジアと起業塾では、ネットを駆使した「学び合い・教え合い」の絆を太くしていきたい。この試みに⽇本の中⾼⽣が加わってくれているのが何とも楽しみだし、頼もしく感じている。

Zoomで身近につながるプーンアジ

日本に帰国してから産能大学以外にも時々大学の先生からお声掛けを頂いて単発レクチャーを受け持たせていただくことがあります。9月には県立広島大学大学院、そして10月末には金沢大学でお話させてもらいました。コロナ禍になってすっかりZoomで講演することが当たり前になり、現地に行かずとも画面越しで大学生の皆さんに向かって話すのですが、同時に見聞きするだけのアジアの現場を生中継することでよりリアリティが増すだろうと思って、招聘してくれた先生に提案しています。どうやら先生方も本当にちゃんとカンボジアから映像が見られるのかと不安に思っていらっしゃるようですが、音もクリアで、発言するプーンアジの生徒たちの目の輝きに大学生も感動しています。
しかし、スムーズに運営するためには下準備も欠かさず行っています。現場の涼さん・光さんにカメラワークや進行のシナリオづくりなどをお願いし、数日前にリハーサルも必ず行います。プーンアジの生徒たちの発言は多少ぎこちなくても「いいよ!日本語も英語もうまくなった!」と褒めて自信をつけさせ、そのリハの際に逆光で顔が暗かったら立ち位置を変えたり、雨が降ったら別の場所にしようとか、もしも停電でWiFiが切れたときはすぐに携帯電話でテザリングできるように充電をフルにして準備をしてもらったり、あれやこれやと対処できることを想定して臨んでいます。この日本人スタッフのサポートがなくては実現できません。

ニューが卒業後にお菓子屋さんを始める決意を発表!

まだ1回もトラブルにはなったことがないですが、繋いで話すのはカンボジアの生徒たちはまんざら嫌いではなさそうです。これまでのプーンアジツアーや来日経験でお客様と交流して日本人が大好きですし、最近は私の生徒への講義でもなるべく質問をして「私に教えて」と彼女たちから意見を求めたりすることが多いので、ディスカッションすることに慣れてきたのかなと思います。5年経ってようやくこういう場が作れるようになったと感慨深いです。
前回、金沢大学では学生代表のマシャーがちょうど学校と生中継の時間が重なってしまったために映像で登場したのですが、にこやかに話す可愛い10代の女の子が最後に「私の会社はコンポントムで初めてのカシューナッツのビジネスです。成功させたいです」と発言。彼女の覚悟をうかがい知ることができ、とても誇らしく思いました。書くことや発言する場を経て、意思を固めていくことはとてもいいです!

このような大学との交流もプーンアジの生徒にとって貴重な経験です。大学のみならず同世代の中学・高校などにも広げたいです。さらに今後はステップアップさせて、第3世界ショップのお客様と直接つないで現場を見るZoomツアーなどへ発展させていけたらいいなと思い描いています。

日本に帰国してから産能大学以外にも時々大学の先生からお声掛けを頂いて単発レクチャーを受け持たせていただくことがあります。9月には県立広島大学大学院、そして10月末には金沢大学でお話させてもらいました。コロナ禍になってすっかりZoomで講演することが当たり前になり、現地に行かずとも画面越しで大学生の皆さんに向かって話すのですが、同時に見聞きするだけのアジアの現場を生中継することでよりリアリティが増すだろうと思って、招聘してくれた先生に提案しています。どうやら先生方も本当にちゃんとカンボジアから映像が見られるのかと不安に思っていらっしゃるようですが、音もクリアで、発言するプーンアジの生徒たちの目の輝きに大学生も感動しています。
しかし、スムーズに運営するためには下準備も欠かさず行っています。現場の涼さん・光さんにカメラワークや進行のシナリオづくりなどをお願いし、数日前にリハーサルも必ず行います。プーンアジの生徒たちの発言は多少ぎこちなくても「いいよ!日本語も英語もうまくなった!」と褒めて自信をつけさせ、そのリハの際に逆光で顔が暗かったら立ち位置を変えたり、雨が降ったら別の場所にしようとか、もしも停電でWiFiが切れたときはすぐに携帯電話でテザリングできるように充電をフルにして準備をしてもらったり、あれやこれやと対処できることを想定して臨んでいます。この日本人スタッフのサポートがなくては実現できません。

まだ1回もトラブルにはなったことがないですが、繋いで話すのはカンボジアの生徒たちはまんざら嫌いではなさそうです。これまでのプーンアジツアーや来日経験でお客様と交流して日本人が大好きですし、最近は私の生徒への講義でもなるべく質問をして「私に教えて」と彼女たちから意見を求めたりすることが多いので、ディスカッションすることに慣れてきたのかなと思います。5年経ってようやくこういう場が作れるようになったと感慨深いです。
前回、金沢大学では学生代表のマシャーがちょうど学校と生中継の時間が重なってしまったために映像で登場したのですが、にこやかに話す可愛い10代の女の子が最後に「私の会社はコンポントムで初めてのカシューナッツのビジネスです。成功させたいです」と発言。彼女の覚悟をうかがい知ることができ、とても誇らしく思いました。書くことや発言する場を経て、意思を固めていくことはとてもいいです!

プーンアジの庭からマシャーがご挨拶。鶏の鳴き声がBGMなのもご愛嬌

このような大学との交流もプーンアジの生徒にとって貴重な経験です。大学のみならず同世代の中学・高校などにも広げたいです。さらに今後はステップアップさせて、第3世界ショップのお客様と直接つないで現場を見るZoomツアーなどへ発展させていけたらいいなと思い描いています。