CWB 奥谷京子
4月の日本での公演で10か所回って、「Peace without Guns―武器のない平和を」という脚本でYikeを披露したのですが、次はインドネシアのバリ島で開催することが決まったのは先月号でお知らせしたとおりです。これをどうやって開催するのか、日本公演で使ったデータをもとに、手伝ってくれた学生インターンの羽成優花さんがいろいろとインドネシア語にチェンジをしてくれています。
1つはインドネシアも楽団を呼べないので事前収録した音声を使うのですが、日本では幕間に解説を入れていました。それもインドネシア語に変えなければなりません。まずは英語にして、それをインドネシア語にGoogle翻訳をしてみて、実際ネイティブの人が読んだ時におかしくないかをチェックしてもらい、それでなるべく読み上げるスピードも日本語バージョンと同じくらいにしてもらい、録音を繋ぎ合わせています。今回私が行って、実際にヴァニー先生にその音声を届けることができました。これで彼女らの練習もタイミングを見ながらうまく進めることができるようになると思います。
2つ目にパンフレット。12ページあるものを8ページに短縮するのですが、インドネシアに行くメンバーは入れ替わるので、その人たちの紹介文章や日本語で書かれた中田厚仁さんの歴史などこういうものもすべて英語にした後にインドネシア語に直しています。なぜ日本語から直接インドネシア語ではなく、英語を経由しているかというと、日本語というのは結構曖昧な言語なので、そのまま翻訳にかけると主語と動詞がうまく結びつかなかったりすることがあります。それが直接インドネシア語になってしまうと私たちもそれがあっているのかどうかの判断ができません。そして今後ほかの地域に行く時も英語にしておくとフィリピンやインドにも使えますし、何かと便利だからです。日本語で言わんとしていることを敢えて説明を加えるなどしながら英語にして、それをインドネシア語にして、またネイティブチェックをもらって問題なさそうだということでそれを編集に回すといった具合です。
3つ目にMr. Diのインタビュー。これもクメール語なので、インタビューのスクリプトをもらって、それを英語にして、さらにインドネシア語に翻訳するといった過程が必要です。そして字幕付きに編集しなおしてくれるところまで羽成さんにやってもらっているので、私は本当に助かっています。
そして最後にもう1つ、日本公演での改善案として、やはり劇中のクメール語での会話が何を言っているのかがわからなかったというお声も頂戴しました。もちろん物語の解説はパンフレットに入れていますし、誰がどの役かも説明をしているのですが、じっくり読んでから公演に臨む人は大多数ではありません。ヴァニー先生をはじめとして白熱した演技で心を動かされますが、話している内容がもっとわかれば…ということで、映画の字幕のように投影されたスクリーンに映し出せないかという改善案が出てきて、これが次なるチャレンジです。字幕を出すタイミングも演じている人たちに合わせないといけないので、どれくらいうまくいくのか未知数なのですが、多少会話の店舗がずれたとしても、全くないよりも理解する助けになるだろうということでやってみようと思っています。 これらのことを準備し、インドネシア公演へ臨もうと思っています。アジアの国で開催することで、カンボジアでは当たり前に用意できることが海外ではできなかったり、言葉の壁をどうやって超えられるかなど、いろんなことを乗り越えて、いいパフォーマンスができるように進めていきたいと考えています。